第三角法でこのレッスンが扱うこと
- 第三角法とは何か、各図をどこに置くのかを説明する。
- クレビスの正面図から、平面図と右側面図を投影する。
- 第三角法の投影記号を描き、第一角法の記号と見分ける。
- どちらの方式の図面も、取り違えずに読む。
第三角法は、日本のJIS規格の機械製図のほか、アメリカやカナダのASME規格の図面で使われる方式です。決まりは覚えやすく、各図を、見る側に置きます。上から見た図は正面図の上に、右から見た図は正面図の右に置きます。
このレッスンは、サイトのどの言語版でも第三角法で描いています。ここまでのレッスンは言語ごとに投影法が違うので、2つの方式を練習できるようにするためです。描く部品はクレビスブラケットです。100 x 50 x 14 mmの底板に40 x 20の長穴があり、両端に厚さ14 mmのアームが立ち、底から45 mmの高さの軸にあるØ18の穴のまわりで、上端がR25に丸められています。アームと底板のあいだの内側の角は、R5のフィレットでつないでいます。
第三角法で図を描くAutoCADのコマンド
| コマンド | 日本語版の名称 | エイリアス | ここでの使い方 |
|---|---|---|---|
_RECTANG | 長方形 | REC | 正面図の底板とアームを描きます。 |
_XLINE | 構築線 | XL | 平面図へは上に、右側面図へは右に、構築線を投影します。 |
_CIRCLE | 円 | C | アームの上端のR25と、右側面図のØ18の穴を描きます。 |
_FILLET | フィレット | F | アームと底板のあいだの内側の角を、R5で丸めます。 |
_TRIM | トリム | TR | 構築線と円を、外形まで切り詰めます。 |
AutoCADで第三角法の正投影図を描く手順
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クレビスの正面図を描く
正面図には、クレビスのU字形が現れます。底板の100 x 14と、幅14で底から70 mmの高さまで届く2本のアームを描きます。正面から見ると、各アームの丸い上端は、最も高い線としてしか現れません。内側の2つの角を、
Fと半径5でフィレットします。Ø18の穴は、正面図で2本のアームを貫いているので、45 mmの高さの中心線の9 mm上と下に、2本のかくれ線として現れます。底板の長穴もかくれています。中央に、40 mm離れた2本の垂直なかくれ線を描きます。
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平面図を正面図の上に置く
第三角法では、上から見た図は、正面図の上に置きます。
XLと垂直のオプション(_V)で辺を上へ投影し、100 x 50の平面図を描きます。アームは、両端にある幅14の2本の帯で、その中を穴のかくれ線が横切ります。長穴は、上から見ると本来の形で現れます。底板の中央にある、長さ40、幅20で端がR10の長穴です。 -
右側面図を正面図の右に置く
右から見た図は、右に置きます。高さを、
XLの水平のオプション(_H)で横に投影し、奥行きの50 mmは、平面図から取ります。ここでは、アームが本来の形で現れます。50 x 14の底板、軸の高さ45までのアームの両辺、その上のR25の円弧、中心にØ18の穴を描きます。長穴はアームの下にあるので、底板の中に2本のかくれ線として現れます。 -
各部分の寸法を、実形が見える図に記入する
構築線をトリムして、中心線を加えます。続いて、各部分に、その実形が見える図で寸法を記入します。正面図には、幅100、底板の14、アームの14、軸の高さ45、長穴の長さ40、フィレットの2x R5です。平面図には、奥行き50と、長穴の端のR10です。右側面図には、上端のR25と、Ø18の穴です。
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第三角法の投影記号を描く
記号は、第一角法と同じ円すい台、つまり台形と2つの同心円ですが、並べ方が逆です。第三角法では、円が台形の左にきます。左から見た図が、左に描かれるからです。表題欄の投影法の欄に入れます。第一角法のレッスンのT溝のブロックの記号と、比べてみましょう。
第三角法の練習例:ひと回り大きなクレビス
ひと回り大きなクレビスを、第三角法で自分で描いてみましょう。底板は120 x 60 x 16で、50 x 24の長穴があり、アームは厚さ16で、底から54 mmの高さのØ22の穴のまわりをR30に丸め、内側のフィレットはR6です。平面図は上に、右側面図は右に置き、第三角法の記号を加えてください。
第三角法でよくある間違い
- 平面図を正面図の下に置く。それは第一角法です。第三角法では、上から見た図は上に置きます。
- 左側面図を右に置く。第三角法で右にある図は、右から見た図です。
- 1枚の図面で方式を混ぜる。図面のすべての図は、記号が示す方式に従います。
- 穴の寸法を正面図に入れる。正面図では、穴は2本のかくれ線です。直径は、円として見える右側面図に入れます。
- 第一角法のテンプレートから記号をコピーする。円が反対側に来てしまいます。テンプレートを変えたときは、記号を確かめてください。
第三角法とは
垂直な面と水平な面がつくる4つの象限のうち、3番目の象限に部品を置き、あなたと部品のあいだに透明な面が立っていると考えます。各図は、その手前の面に写し取られ、面を平らに開いたとき、各図は、見た側に並びます。下から見た図は正面図の下に、左から見た図は左に、後ろから見た図は列の端に置きます。
第三角法による正投影図:各図の位置と記号
2つの方式は、同じ図を使い、位置だけが違います。
| 第一角法 | 第三角法 | |
|---|---|---|
| 上から見た図 | 正面図の下 | 正面図の上 |
| 左から見た図 | 正面図の右 | 正面図の左 |
| 右から見た図 | 正面図の左 | 正面図の右 |
| 記号 | 円が円すいの右 | 円が円すいの左 |
| 使われる場所 | ISOの図面:ヨーロッパ、インド、世界の大部分 | JISの機械製図(日本)、ASMEの図面(アメリカ、カナダ) |
記号のない図面は、読み違えるおそれがあります。一方の方式で描かれた部品を、もう一方の方式で読むと、左右が反転して見えてしまいます。そのため、記号はどの表題欄にも必要です。
投影法の記号の描き方
記号は、簡単な比率で描きます。円すい台の台形と、2つの円で、小さい円は円すい台の細い側の端に合わせます。このサイトのどの図面でも、表題欄の上の段の右端に置いてあり、その下の投影法の欄が、同じ方式を文字で繰り返しています。
第三角法についてのよくある質問
第三角法とは何ですか。
各図を、見る側に置く正投影の方式です。平面図は正面図の上に、右側面図はその右に置きます。日本の機械製図やASMEの図面の方式です。
第一角法と第三角法はどう違いますか。
図は同じで、置く位置が入れ替わります。第一角法では平面図が正面図の下、左側面図が右にきます。第三角法では平面図が上、右側面図が右にきます。
第三角法を使っているのはどこの国ですか。
日本、ASMEの規格に従うアメリカとカナダなどです。ほかの多くの国は、ISOの方式の第一角法を使っていますが、アメリカの顧客と仕事をする会社は、第三角法も使うことが多くあります。
図面が第三角法かどうかは、どうやって見分けますか。
表題欄の記号を見ます。円が円すいの左にあれば第三角法です。記号がないときは、平面図が正面図の上にあれば、第三角法と考えられます。
更新日: 2026年9月26日
